【出会い体験記】推しに激似の「隠れイケメン」発掘!?元喪女ギャルが運命の恋を掴むまでの成功談
こんばんは、ヨルです。今回お話するのは、私の知り合いの子が20歳にして初めて知った「推しよりも尊い現実(リアル)」についてです。
二次元のアイドルに青春のすべてを捧げ、三次元の恋愛なんて都市伝説だと思っていた「喪女」の日々から、マッチングアプリで出会ったある男性との、まるでフィクションのような一日まで。
少し長くなりますが、画面の向こうの恋だけに生きがいを求め、現実の出会いを諦めかけている全ての乙女に、どうしても届けたい物語です。
プロローグ:空虚なギャルの憂鬱

ガタンゴトン、と規則的なリズムを刻む電車の揺れ。 窓の外には、見慣れた田舎の風景が流れていきます。 私はスマホの画面に映る自分の顔を、ぼんやりと眺めていました。
明るく染めたミルクティーベージュの巻き髪。 バッチリとまつげを上げたアイメイク。 流行りのリップ。
鏡の中にいるのは、どこからどう見ても「イマドキの女子大生」、アヤカ(20歳)です。 でも、その中身はというと……。
(はぁ……今日も講義ダルいなぁ。てか、家に帰って『ユーリ』のBlu-ray観たい……)
そう、私の正体は、生粋のオタクなのです。 人口200万人を誇る政令指定都市の大学に通うため、私は毎日片道1時間をかけて、実家のある田舎町から電車通学をしています。
高校時代の私は、今の姿からは想像もつかないほど地味でした。黒髪、すっぴん、教室の隅っこがお友達。 そんな私の唯一の生きがいは、とあるアニメに登場するアイドルキャラクター「ユーリ」を応援すること。いわゆる「推し活」です。 3次元の男子? 興味なし。 友達? 画面の向こうにいれば十分。
そんな寂しくも充実した3年間を過ごしていたのです。
けれど、悲劇は突然訪れました。
『制作会社倒産のお知らせ』
高校卒業と同時に突きつけられたそのニュースは、私の世界を粉々に砕きました。 続編制作決定って言ってたじゃん! 嘘つき! 私の青春、私の愛、私のユーリ……。彼との日々は、あっけなく終わりを迎えてしまったのです。
「……嘘でしょ」
部屋に残されたのは、今となっては供給の絶たれたグッズの山と、心に空いた巨大な穴。 現実に引き戻された私は、鏡を見て愕然としました。 そこにいたのは、何の手入れもしていないボロボロの肌、重たい黒髪のお菊人形みたいな私。 アニメのヒロインとは似ても似つかない、ダサい女の子。
「……変わらなきゃ」
永遠に推せる、自分だけのアイドルが欲しい。 画面の中がダメなら、現実に探すしかない。 そう決意して、私は大学デビューを果たしました。
ファッション誌を読み漁り、美容院で「このモデルさんみたいにしてください」と震える声で頼み、お化粧も猛練習しました。
その結果、見た目だけは「割と整っているギャル」に変身できたのです。
それなのに。
「なんで彼氏できないのー!? てか、友達すらできないんですけど!?」
心の中の私が絶叫しています。 見た目は変わっても、中身のコミュ障は治っていなかったのです。
今日も一人、スマホを握りしめて大学へ向かう私。 華やかなキャンパスライフなんて、都市伝説に違いありません。
第一章:仕事人間の受難

一方その頃、都会のオフィスビルの一角で――。
カチャカチャカチャ、ッターン!
「よし、見積書作成完了っと」
セイヤ(30歳)は、いつものようにパソコンに向かっていました。
事務機器メーカーの営業職。 髪はワックスできっちりと整え、オーダーメイドの細身のスーツを着こなす彼は、社内でも「そこそこイケメン」という評価を得ています。 しかし、その評価には必ず「ただし」がつきます。
「ただし、変人だけどな」
同僚たちがヒソヒソと噂しているのを、セイヤは知らないわけではありません。 仕事は早いし、成績も優秀。けれど、休憩時間も惜しんで仕事に没頭し、飲み会の誘いも「明日の商談の準備があるので」と断る日々。 これでは「変人」呼ばわりされても仕方がないでしょう。
(……そろそろ実家に顔を出さないとなぁ)
ふと、セイヤは溜息をつきました。 田舎の両親からは「まだ結婚しないのか」「いい人はいないのか」と、催促の電話が頻繁にかかってきます。
30歳。三十路。 世間的には結婚していてもおかしくない年齢です。 セイヤにだって、結婚願望がないわけではありません。ただ、どうやって恋愛を始めればいいのか、皆目見当がつかないのです。
「あーあ、セイヤさんまた眉間にシワ寄せてますよー」
背後から軽い調子の声がかかりました。 後輩の男性社員です。
「……なんだ、また君か。仕事は終わったのか?」
「終わりましたよぉ。ていうかセイヤさん、休憩くらいしましょうよ。スマホ貸してください」
「は? なんでだ」
「いいからいいから!」
半ば強引にスマホを奪い取られ、後輩が画面をタップし始めます。
「何をしてるんだ、返せ」
「へいへい、今返しますって。……はい、これ」
返されたスマホの画面を見て、セイヤは目を丸くしました。 そこには見慣れないピンク色のアイコンが鎮座しています。
「『リンクル』……? なんだこれは」
「今流行りのマッチングアプリですよ! セイヤさん、出会いがないって言ってたじゃないですか。僕が登録しときましたから!」
「はあ!? お前、勝手なことを……!」
「しかも、適当に良さげな子にメッセージ送っときましたから! 感謝してくださいよ~」
後輩はそう言い残して、逃げるように給湯室へ走っていきました。 残されたセイヤは呆然とします。
勝手にアプリを入れられたうえに、メッセージまで送っただと? 慌ててアプリを開くと、確かに送信履歴がありました。
『もしよければ、少しお話しませんか?』
相手のプロフィール写真は、明るい髪色をしたギャル風の女性。 見た感じ、自分より10歳は下でしょう。 こんな若い子に、三十路の男が何を送っているんだ。
「……最悪だ」
セイヤは頭を抱えました。 いたずらにしても度が過ぎています。 すぐにメッセージを取り消して、アプリを削除しなければ。 そう思って操作方法を調べている時でした。
ピロン♪
軽快な通知音が、静かなオフィスに響き渡りました。 画面に表示されたのは、そのギャル風の女性からの返信通知。
「……え?」
第二章:奇跡のマッチング

時間を少し戻して、アヤカサイド。
「はぁ……講義終わった……」
大学のカフェテリアで、私は一人ランチをしていました。 周りは楽しそうに談笑するグループばかり。 孤独感が身に沁みます。
(もう、こうなったら最終手段だよね)
私は意を決して、昨日ダウンロードしたばかりのアプリ『リンクル』を開きました。 「出会い系なんて」と抵抗はありましたが、背に腹は代えられません。 それに、このアプリは女性無料。 失うものなんて、私のプライドくらいです。
「いい人なんて、そうそういないよねぇ……」
スクロールしてもスクロールしても、ピンとくる男性はいません。 自撮りのキメ顔、筋肉アピール、車自慢……。 どれもこれも、私の心には響きません。 私が求めているのは、もっとこう、尊い何か。 そう、ユーリ様のような……。
その時でした。 一通のメッセージが届いたのです。
『もしよければ、少しお話しませんか?』
「……ん?」
なんだか堅苦しいメッセージです。
プロフィールを見てみると、名前は「S」。 写真は……なんだこれ、隠し撮り? 誰かが横から撮ったような、仏頂面でパソコンに向かっている写真でした。 画質もあまり良くありません。
「うわ、愛想なさそー……」
そう呟いて、スルーしようとした瞬間。 私の指が止まりました。 心臓が、ドクンと大きく跳ねます。
その横顔。 少し長めの前髪がかかった目元。 通った鼻筋。 そして、何よりもその憂いを帯びた雰囲気。
「……え?」
私は慌てて画像を拡大しました。 震える手でスマホを顔に近づけます。 嘘でしょ。 幻覚? それとも私がオタクすぎて脳がバグった?
「ユーリ様……!?」
そこには、私が愛してやまない、制作会社の倒産によって永遠に失われたはずの推し、ユーリ様その人が写っていたのです(※あくまで個人の感想です)。
いや、アニメキャラよりは人間味があるけれど、このパーツの配置、このアンニュイなオーラ、間違いありません! これは、神様が私にくれた奇跡? 転生? 転生なの!?
「ユーリ様だわ! ユーリ様が3次元に降臨なされたわー!!」
心の中で絶叫し、私は猛スピードで返信を打ち込みました。 普段のコミュ障はどこへやら、推しを前にしたオタクの行動力は恐ろしいものです。
『はじめまして! メッセージありがとうございます! アヤカです! 写真すっごく素敵ですね!!』
送信ボタンを押した直後、既読がつきました。 早い。
『あ、あの、間違えて送ってしまったようで……すみません』
相手からの返信は、なんだか困惑している様子。 でも、そんなことで引き下がる私ではありません。
『全然大丈夫です! これも何かの縁ですよ! お仕事中ですか? そのスーツ姿、めちゃくちゃ似合ってます!』
『えっと、ありがとうございます……?』
『休日は何をしてますか? 趣味とかありますか? 好きな食べ物は!?』
気がつけば、私は次から次へと質問を送っていました。 相手の男性――セイヤさんは、きっと引いているに違いありません。 でも、画面の向こうのセイヤさんは、戸惑いつつも律儀に返事を返してくれるのです。
『休日は……たまに映画を見るくらいです』
『映画! いいですね! どんなジャンルが好きなんですか? 私はアニメが好きなんですけど、最近のアニメって映像すごいですよね!』
『そうなんですね。あまり詳しくなくて』
『教えますよ! ぜひ布教させてください!』
いつしか私は、このやり取りに夢中になっていました。 相手が「ユーリ様似」というだけで、こんなにも世界が輝いて見えるなんて。
一方、セイヤは困惑の渦中にいました。 メッセージの取り消し方を調べているうちに、相手から怒涛の勢いで返信が来てしまったのです。
(なんだかグイグイくるな、この子……)
見た目は派手なギャル。 文章もハイテンション。 普段のセイヤなら、間違いなく「関わりたくないタイプ」としてシャットアウトしていたでしょう。 けれど、なぜでしょうか。 次々と送られてくるメッセージを見ていると、不思議と悪い気はしませんでした。
『お仕事お疲れ様です! 無理しないでくださいね』 『ちゃんとご飯食べてますか?』
そんな何気ない気遣いの言葉が、仕事でささくれ立った心に染み込んでいくような気がしたのです。
三十路の変人扱いされている自分に、こんなに興味を持って話しかけてくれる女性はいません。 最初は「なんだこの子?」と思ったけれど、なんだか嫌いになれない。 いや、むしろ……。
(……もう少し、話してみてもいいか)
セイヤは、削除しようとしていた指を止め、キーボードを打ち始めました。 画面の向こうの女性が、少しずつ気になり始めていたのです。
第三章:画面越しのカタルシス

それからというもの、私とセイヤさんのメッセージ交換は日課になりました。 朝の「おはよう」から始まり、昼休みの軽い雑談、そして夜寝る前の「おやすみ」まで。 私のスマホは、常にセイヤさんからの通知で振動しています。
「アヤカ、最近ニヤニヤしすぎじゃね? 彼氏できた?」
大学の食堂で、珍しく話しかけてきた同じ学科の女子にそう言われて、私はハッとしました。
「え、いや、彼氏っていうか……推し? みたいな?」
「は? 何それ、またアニメ?」
「まーねー! そんな感じ!」
適当にごまかしましたが、あながち間違いではありません。 だって相手は、私の永遠の推し・ユーリ様に瓜二つ(※ただし写真写りの悪い隠し撮り風アイコンに限る)のセイヤさんなのですから。
でも、やり取りを続けていくうちに、私はセイヤさん自身の内面に惹かれ始めていました。 セイヤさんは、とにかく真面目なんです。
『今日は営業先でトラブルがあって少し落ち込んでいます』
『えー! 大丈夫ですか? 元気出してください! チョコ食べましょチョコ!』
『ありがとう。帰りにコンビニで買ってみます』
その数分後。 『買いました。少し落ち着きました』 というメッセージと共に、コンビニのチョコレートの写真が送られてくるのです。 律儀か! 可愛すぎるだろ三十路!
私が送るくだらないスタンプにも、彼は一生懸命、意味の通じるスタンプを選んで返してくれます。 私が大学の課題の愚痴をこぼせば、社会人の先輩として的確な、でも優しいアドバイスをくれます。
(ユーリ様はクールな俺様系だったけど、セイヤさんは……なんだろう、大型犬? いや、主人に忠実な執事?)
どちらにせよ、尊いことには変わりありません。 画面越しに伝わってくる彼の不器用な優しさに、私の乾ききった心は潤されていきました。 そしてそれは、セイヤさんも同じだったようです。
第四章:赤いバラの誓い

ある日の夜、いつものようにメッセージのやり取りをしていると、セイヤさんからふと切り出されました。
『アヤカさんとは、話が合いますね』
『えっ、本当ですか!? 嬉しい!』
『実は、最初はもっとギャルっぽい怖い人かと思っていました』
『あはは! 見た目はギャルですけど、中身は地味子ですよー』
『……もしよかったら、今度直接お会いしませんか?』
その一文を見た瞬間、私はベッドの上で「ふぎゃっ!」と変な声を出して飛び跳ねました。 会う。 リアルで。 ユーリ様(似)の彼と!
『会いたいです! ぜひ!』
即レスです。かけひきも何もあったものじゃありません。 トントン拍子で日程が決まり、場所は市内の映画館の前ということになりました。
そこからの私は、もう有頂天です。 でも、ふといたずら心が芽生えました。 真面目なセイヤさんを、ちょっとからかってやりたいな、と。
『待ち合わせ場所、人多いですよねー。お互い分かるかな?』
『確かに。何か目印を決めましょうか』
『じゃあ、セイヤさん、胸ポケットに赤いバラを一輪入れてきてください!』
『……はい?』
『昭和のスターみたいに! それなら絶対見つけられますよ!』
もちろん、冗談のつもりでした。 バラなんてキザなこと、この現代日本でやる人はいません。 セイヤさんからも、予想通りの返信が来ました。
『絶対に嫌だ』
『えー! 残念(笑) じゃあ普通に服装教えてくださいね』
『当たり前だ。当日はネイビーのジャケットで行く』
「ふふっ、やっぱり断られた」
私はスマホを見ながら一人でクスクス笑いました。 「絶対に嫌だ」という拒絶すら、彼らしくて愛おしく感じます。
こうして、私たちは期待と少しの緊張を抱えながら、約束の日を迎えることになったのです。
第五章:推し、大地に立つ

そして迎えたデート当日。 私は気合を入れて、朝の5時に起きました。 シャワーを浴び、入念にスキンケアをし、巻き髪のセットに30分かけました。 服装は、白のオフショルニットにミニスカート。足元はロングブーツ。 「清楚ギャル」をテーマにした勝負服です。
「よし、完璧!」
鏡の前でポーズを決め、いざ出陣。 電車に揺られること1時間。待ち合わせ場所である映画館前の広場に到着しました。 休日の昼下がり、広場はカップルや家族連れでごった返しています。
「うわ、人多っ……。セイヤさん、どこだろ」
約束の時間は13時。今は10分前。 私はキョロキョロと周囲を見渡しました。 ネイビーのジャケット、ネイビーのジャケット……。 似たような服装の男性は何人かいますが、ピンとくる人がいません。
(もしかして、すっぽかされた? いや、セイヤさんに限ってそれはないはず……)
不安になりながらスマホを取り出そうとした、その時でした。
人混みの向こう、柱の影に佇む一人の男性が目に入りました。 細身の長身。 綺麗にセットされた黒髪。 整った顔立ちには、写真で見た通りの憂いがあり、どこか近寄りがたいオーラを放っています。
「……嘘」
息が止まりそうになりました。 写真よりもずっと、ずっとかっこいい。 アニメの画面からそのまま抜け出してきたかのような、圧倒的な「ユーリ様」感。 彼こそが、セイヤさんです。
でも、私が驚いたのは彼の容姿だけではありませんでした。 彼のネイビーのジャケット。 その左胸のポケットに。
鮮やかな、一輪の赤いバラが刺さっていたのです。
「……ぶっ!!」
私は思わず吹き出してしまいました。 周囲の視線も彼に釘付けです。 「ねえ見て、あの人バラ刺してる」「撮影?」「罰ゲーム?」なんてヒソヒソ声が聞こえてきます。 でも彼は、仏頂面のまま、微動だにせず私を待っているのです。
私は笑いをこらえながら、彼のもとへ駆け寄りました。
「セイヤさん!」
彼は私の声に気づき、こちらを向きました。 私を見た瞬間、少し目を見開き、それからバツが悪そうに視線を逸らしました。
「……アヤカさん、か?」
「はい! 初めまして! ……って、あはははは! 本当に入れてきたんですか!?」
私はもう、笑いが止まりませんでした。 彼の胸元で主張する赤いバラ。シュールすぎます。
「君が言い出したことだろ」
セイヤさんは少し顔を赤くして、ムスッとした表情で言いました。
「冗談だって言ったじゃないですか~!」
「……万が一、君が見つけられなかったら困ると思って」
「え?」
彼の言葉に、私は笑うのをやめました。 彼は、照れ隠しのようにバラをポケットから引き抜き、私のほうへ差し出しました。
「ほら、これ。あげるよ。……俺が持ってても変な目で見られるだけだし」
ぶっきらぼうな言い方。 でも、その耳は真っ赤です。 彼は、私の冗談を真に受けたわけじゃなくて、私が迷子にならないように、そして私を喜ばせようとして、恥ずかしさを我慢してこれをやってくれたのです。
(なにこの人……尊すぎて無理……!)
私の心臓は、早鐘を打つどころか、爆発寸前でした。 アニメのユーリ様はかっこいいけれど、こんな不器用な優しさは見せてくれません。 目の前にいるセイヤさんは、私の理想を軽々と超えていきました。
「……ありがとうございます。一生大事にします!」
「いや、生花だから一生は無理だろ」
「そういう問題じゃなくて! 気持ちの問題です!」
私はバラを受け取り、満面の笑みを向けました。 すると、セイヤさんもつられるように、ふっと小さく笑ったのです。 その笑顔の破壊力たるや。
「じゃあ、行こうか。映画、始まるよ」
「はい!」
初対面なのに、もう何年も一緒にいるみたい。 自然と足が並びます。 歩き出して数歩、セイヤさんの手が、私の手に触れました。 ビクッとして見上げると、彼は前を向いたまま、そっと私の手を握りしめてくれました。
「……はぐれないように」
「……はいっ!」
その手は大きくて、温かくて、少し汗ばんでいて。 私はその温もりを強く握り返しました。
「推し活」から始まった私の恋は、こうして現実のものとなったのです。 これからの私たちには、アニメのような劇的な展開はないかもしれません。 でも、この不器用で愛おしい「リアルな推し」となら、どんな平凡な日常も、きっと最高の物語になる。 そう確信しながら、私は彼と一緒に映画館への道を歩き出しました。
(おわり)
(※この物語はフィクションです)
